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アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)
発売日:2000-05 |
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アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)のレビュー・感想
不安社会アメリカを映し出す
とにかく、現代アメリカ文学の紹介者として、柴田元幸氏(あと村上春樹氏ももちろんですが)は欠かせない存在でしょう。柴田氏がいなければ、アメリカ文学の日本での受容のされ方も、大きく違ったものになっていたはずです。
本書は、「破滅」「組織」「勤労」「親子」といったテーマ別に、アメリカ文学を論じています。
文学とは、社会の顕在化していない「不安」をあぶりだすことができるものだと、私は思っていま...
同じように悩む人たちがいるという安心感
ヘンリー・ミラーの『北回帰線』が食べることに固執した小説だとは知らなかったし(もちろん性の求道者という側面はあるにせよ)、アメリカ文学における幽霊の正体とはしばしば自分であるという指摘もいちいちもっともだと思う。破滅は「アメリカの裏切り」がもたらすという一節にはしびれた。一番、感心したのは「建てる」。「自己創造の意志が外の世界に投影されるとき、アメリカ文学では『館』を建てる(あるいは買う)...
内容の濃い一冊
現代アメリカ文学翻訳の第一人者である柴田元幸氏がトウェインやメルヴィルといった古典からオースターやパワーズといった現代の作家までを取り上げながらアメリカ文学を俯瞰する。エッセイ風に書かれたものであるにもかかわらず、読後には鮮烈な印象が残る。それは柴田氏が米文学を「教養」とか「高尚な趣味」などという排他的なものではなく、現代を生きる我々にとってアクチュアルな問題を含んだものという視点を持っているか...

