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デモクラシーの帝国―アメリカ・戦争・現代世界 (岩波新書)
発売日:2002-09 |
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デモクラシーの帝国―アメリカ・戦争・現代世界 (岩波新書)のレビュー・感想
よく理解できるし面白いけど
本書の価値を著しく減じていることがある。
それは、現在のアメリカを、もはや歴史に属しているものと考えられてもよい「帝国」と定義
づけることが意味することをほとんど示していないことである。
「帝国とは、政府や政策の評価ではなく、現代世界における力の分布と力の行使を捕まえる観
念」であり、「帝国という用語は、もうそれだけで価値判断や偏見を伴うことが多い」が、著
者の目的はア...
灰色の研究
アメリカを黒でも白でもなく冷静に捉えたい。筆者のそんな視点に共感できる。
だが現在のアメリカは黒でないまでも、限りなく灰色に近い黒だ。本書における批判もそのような傾向を示している。もちろんそれは、本書が9・11テロから1年を経過した時期の執筆であることを反映している。
筆者が明らかにする帝国アメリカの行動原理は、デモクラシーと正義という理想である。アメリカはこれを、国際協調を無視し...
どの辺がデモクラシーか
流行の帝国論の一書である。
アメリカは帝国である。そしてアメリカはそれ以前との帝国とどう違うのか。
植民地帝国であったイギリスとは違い、アメリカは海外に領土を求めないところにこそ特長がある。特定の植民地を持たないことこそがアメリカの都合のいい介入を実現させる基盤である。そして軍事力。冷戦終結後も比類無き軍事力を確保してこそ国際政治におけるフリーハンドを有することが出来る。
主張は分かる。が、しかし...
著者の意図として、米国と各国との相互関係の上で、米国を批判しているのは最もだと思うし、批判しながらも、将来の国際関係において米国に期待している面もまた、最もだと思う。さらには、米国を含んだ国際システムを再構築するのに、現在において最も普遍的であると言える組織である国連を利用する面もまた分かる。と言うかそれしか方法が無いのかもしれないが。
しかし、その為の手段を最も明示的に示して...
「デモクラシー』は国境を越えて
なるほどアメリカとはこういう国なのか。
「デモクラシー」は国境を越え、他国を染め上げる。「デモクラシー」を広めようとすれば、他国を支配することになる。王の支配する「帝国」を崩したはずの「デモクラシー」が、新たな王となり「帝国」を築く。この矛盾、皮肉。
この本は、「デモクラシー」の持つ、今まで語られなかった闇に光を当て、未だ解決しない問題がそこに横たわっていることを教えてくれる。

