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歴史序説 (1) (岩波文庫)
発売日:2001-06 |
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歴史序説 (1) (岩波文庫)のレビュー・感想
中世アラブの英知
翻訳物には、こなれていない日本語になっているのが少なくないですが、これは実にすばらしい日本語です。まずこのことを述べたいと思います。
それから、行き届いた注もありがたいです。たとえば、
「アラブ世界では九世紀以来、シリア語からのアラビア語訳聖書が流布しておりイブン=ハルドゥーンもおそらくそれに拠ったのであろう。」(363頁)
イブン=ハルドゥーンの思索は、堅実で...
その多様性と反復性故に歴史は学ぶ価値がある
この国には、歴史関係のロクな本がない。というと誰かの逆鱗に触れるかも知れないが、『十八史略』の伝統なのか歴史といえば「王朝交代」だと思ってる人が多くて、そんな「人物が書いてある歴史書」はせいぜいが中年オヤジの癒し系ヒーローものでしかない。司馬遷やトゥキディデスもいいが、ヨーロッパを準備した14世紀北アフリカのチュニスに生まれたアラブ人思想家の本が、そんな渇望感をいやしてくれる。
「田舎や砂...
一般教養書としての最高峰
14世紀当時、ヨーロッパより遥かに優れた学問体系をもったイスラム世界の学者が「歴史学を学ぶとはどういうことか」を論じた名著。の序説。大著「歴史」のうち、前提となる文明論を述べた序説部分だけが後世有名になったため、一般に「歴史序説」として通用している。そもそもある本の序説だけが名著扱いされる例も珍しい。「優れた文明は程よい気候の場所でしか発展しない」
「どんな名家も4代のうちに没落する」
「...

