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古寺巡礼 (岩波文庫)
発売日:1979-03 |
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古寺巡礼 (岩波文庫)のレビュー・感想
若き日の和辻の感性
該博な知識に圧倒されてつい忘れてしまいがちになるが、これは和辻の20代の終わりに書き留められた印象記である。それを踏まえつつ読み進めていくと、確かにその筆の運びは若い。
それが、著者自身が「改版序」において自覚的に書いているような「情熱」であったり、「自由な想像力の飛翔」であったりすることは間違いない。しかし、それだけではない。
これだけ仏教美術に触れ、繊細な直感を自在に...
幅広い知識、若々しい感性
岩波文庫の『古寺巡礼』をはじめて手に取ったのはずいぶんと前になるけれど、その後なんどかこの本を読み返して、類書がいくつも出ていて、亀井勝一郎、町田甲一、竹山道雄、その他にもあったと思うけれど、和辻の本を超えたものはないように思う。
土門拳の『古寺巡礼』は写真集だから和辻の類書と思っていないし、土門の本から和辻のものを連想したりはしない。
小学館文庫版の土門の写真集を見ていたら...
名著、名文、名建築…
世に名著といわれるものは数々あれど、間違いなく名著といっていい本だろう。これを紐解く度に、名著とは名文ゆえではないかとの思いを強くする。仏像、建築、回廊を著者とともに巡り歩き、イメージゆたかに流れる文章が心に染み入ってくる心地よさ…。これぞ読書の醍醐味といえよう。
こんな名文が若干29歳の青年によって書かれたというのだから、本当に舌を巻く。和辻哲郎は仏像と建築をこよなく愛する“眼の人”だった...
中宮寺観音の横顔
「あの肌の黒いつやは実に不思議である。」で始まる中宮寺観音像の描写。この著作に関しては、美学的哲学的にいろいろと難しい事はあるのでしょうが、私には個人的に忘れられない、これ以上ない最上の日本語の愛の表現が印象的です。「・・あのうっとりと閉じた眼に、しみじみと優しい愛の涙が、実際に光っているように見え、あのかすかに微笑んだ唇のあたりに、この瞬間にひらめいて出た愛の表情が実際に動いて感ぜられるのは...
奈良と共にある日々
中学の頃に本書を読んで以来 奈良が好きになった。和辻哲郎は哲学者であるわけだが 当時はそんなことも知らず 若き和辻の情熱のほとばしる本書を通じて ただ奈良に魅せられたということだと思う。30年以上たった今振り返って見ると 奈良の寺や仏像に惹かれる中学生というのも なんだか気色悪いような気もするが ここ30年間に 変わらず 奈良を愛する気持ちは変わらない。以来、亀井勝一郎、堀辰雄、志賀直哉...

