アキラプラザA館
このサイトはAmazon.co.jpと連動しているショッピングサイトです。
サロメ (岩波文庫)
発売日:2000-05 |
|
関連商品
サロメ (岩波文庫)のレビュー・感想
幽玄
他にもサロメの日本語訳本はありますが
文体と格調の美しさと簡潔さはこの福田さんの訳本が一番でした。
此処に出てくるサロメの姿は月の光のようにはかなく消え入りそうでいて
最後抑えていた感情を全て曝け出して愛する男の首に接吻する狂える女。
神秘的で幽玄・・・そして可愛いらしくも強い少女です。
ビアズリーの挿絵(これも素晴らしいのですが)すらこの名訳の前にかすんでしまうほど。
コンパクトな毒
短くて、毒気に満ちている。ウィスキーボンボンのような作品ですな。本の薄さに手軽に味わえると思うと悪酔いする。子供のときに、所詮お菓子なんだからと、ボンボンをつまんで食べたら頭がクラクラしたのを思い出す。
同じような台詞が反復するのは音楽的な効果を上げている。ディオニュソス=酒の神=悲劇の神=音楽の神というニーチェの認識をうまく具現した作品。淫蕩に輝く月や薔薇の花弁が視覚に強烈に浮か...
まさに「古典的」翻訳。ビアズリーの挿絵の完載が魅力
作品自体については、あえて言及しない。福田恆存の翻訳は1958年のもので、そもそも旧仮名遣いを使用するなど福田らしいものである。それを踏まえれば、かなりに高水準ではあると認めるし、本作の「古典的名翻訳」と呼ぶだけの価値はあると思う。
しかし、現代の目からすると「古い!」と思わずにはいられない。特に、女性の言葉遣いは「日本語の変化」でも極めて顕著な部類である。この訳からは、サロメが十...
不可解な魅力を湛えた戯曲
オペラを見た帰りに買った文庫本。
……なのだが、なかなかどうして、何回も読み返している。
挿絵が魅力的。それもあるだろう。
見た舞台が美しかった。それもあるだろう
(オペラって凄く得意ではないけれど)。
通じ合ない思いの儚さ、激しさ、耽美的な語り口。それもあるだろう。
……あるのだろうけれど、どうにも不可解。
そもそも、戯曲には苦手意識があったはずなのに。 ...
月光が照らすは妖しき王女の姿
ワイルドは奇抜な言動で知られ、非常に不運な人生を送った作家です。「没道徳」の烙印を押されがちな彼の作品にはしかし、人の心を惹きつけてやまない甘美で不思議な魅力があります。
サロメは新約聖書における預言者ヨカナーンの受難の場面を一幕の戯曲にしたものであり、元の簡素な記述を何倍にも膨らまされた、不気味でおどろおどろしく、そしてどこかロマンチックな悲劇です。内容は短いので敢えてあらすじをここ...

